【第1回公募】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?対象事業者・申請枠・補助対象経費をわかりやすく解説

新しい製品・サービスを開発したい。
既存事業とは別の市場に挑戦したい。
海外展開に向けて、国内の製造体制を強化したい。

こうした中小企業等の前向きな投資を支援する補助金として、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募が開始されています。

本補助金は、中小企業等が行う「技術的革新性のある製品・サービスの開発」「既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出」「海外市場開拓に向けた国内体制の強化」に係る設備投資等を支援する制度です。

この記事では、対象となる事業者、3つの申請枠、補助対象経費、申請スケジュールについてわかりやすく解説します。


1. 対象となる事業者

対象となるのは、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有し、一定の要件を満たす事業者です。

主な対象は以下のとおりです。

  • 中小企業者
  • 小規模企業者・小規模事業者
  • 一部の特定事業者
  • 一定要件を満たす特定非営利活動法人
  • 一定要件を満たす農事組合法人
  • 中小企業等と共同申請する対象リース会社

ただし、みなし大企業に該当する事業者や、過去に同種の補助金で不正・ペナルティ等を受けている事業者などは、対象外となる場合があります。

また、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。取得には時間がかかる場合があるため、申請を検討している事業者は早めの準備が重要です。


2. 3つの申請枠

本補助金には、事業目的に応じて以下の3つの申請枠があります。


① 革新的新製品・サービス枠

革新的な新製品・新サービスの開発を支援する枠です。

自社の技術力やノウハウを活かし、これまでにない価値を顧客へ提供する取り組みが対象となります。

一方で、既存製品・既存サービスの単なる改良や、生産プロセスの改善のみを目的とする取り組みは対象外となる場合があります。

補助上限額

従業員規模に応じて、最大2,500万円
賃上げ特例を適用する場合は、最大3,500万円です。
補助下限額は100万円です。

補助率

中小企業者は原則1/2、一定条件を満たす場合は2/3
小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は2/3です。


② 新事業進出枠

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。

ポイントは、単に新しい商品を始めるだけではなく、事業者にとって新規性があり、これまで対象としていなかった新たな顧客層や市場を狙うことです。

たとえば、既存の技術・設備・ノウハウを活かしながら、これまでとは異なる業界や顧客層へ展開する取り組みなどが想定されます。

補助上限額

従業員規模に応じて、最大7,000万円
賃上げ特例を適用する場合は、最大9,000万円です。
補助下限額は750万円です。

補助率

中小企業者は原則1/2、一定条件を満たす場合は2/3です。


③ グローバル枠

海外市場開拓、特に輸出に向けた国内体制の強化を支援する枠です。

自社製品・サービスを海外へ展開するために、国内の製造拠点や供給体制を強化する取り組みが対象となります。

海外販路を開拓したい企業や、輸出を見据えて生産能力・品質管理体制を整えたい企業に適した申請枠です。

補助上限額

従業員規模に応じて、最大7,000万円
賃上げ特例を適用する場合は、最大9,000万円です。
補助下限額は750万円です。

補助率

中小企業者は2/3です。


3. 補助対象経費

補助対象経費には、補助事業の事業化に必要不可欠な事業資産が含まれている必要があります。

また、申請枠によって必須となる経費が異なります。

必須となる経費

革新的新製品・サービス枠では、
「機械装置・システム構築費」が必須です。

新事業進出枠・グローバル枠では、
「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必須です。


共通して対象となる主な経費

以下の経費は、各枠で対象となります。

  • 機械装置・システム構築費
  • 運搬費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • 外注費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 広告宣伝・販売促進費

補助対象経費は枠によって対象範囲が異なり、ミラサポplusでも、建物費は新事業進出枠・グローバル枠のみ、海外旅費・通訳翻訳費はグローバル枠のみ対象と整理されています。


枠限定の対象経費

建物費は、新事業進出枠とグローバル枠のみ対象です。

また、海外旅費通訳・翻訳費は、グローバル枠のみ対象となります。


補助対象外となる主な経費

以下のような経費は、補助対象外となる可能性があります。

  • 既存事業との共用経費
  • 事務所の家賃
  • 汎用性のあるパソコンやタブレット端末の購入費
  • 単なる設備の置き換え費用
  • 補助事業に直接関係しない経費

特に注意したいのは、「事業に使うから何でも対象になる」というわけではない点です。
補助金では、事業計画との関連性や必要性、専用性が重視されます。


4. 第1回公募のスケジュール

第1回公募のスケジュールは以下のとおりです。

  • 公募開始:令和8年6月29日(月)
  • 申請受付開始:令和8年8月31日(月)
  • 申請締切:令和8年9月30日(水)18:00まで
  • 採択発表:令和8年12月頃予定

中小機構の案内でも、申請受付は2026年8月31日、申請締切は2026年9月30日18時とされています。

締切直前は、GビズIDや電子申請システム、必要書類の準備で慌ただしくなりがちです。申請を検討している場合は、早めに事業計画と見積書等の準備を進めることをおすすめします。


5. 補助事業の実施期間

補助事業の実施期間は、申請する枠によって異なります。

革新的新製品・サービス枠は、交付決定日から10か月以内です。
ただし、採択発表日から12か月以内という上限もあります。

新事業進出枠・グローバル枠は、交付決定日から14か月以内です。
ただし、採択発表日から16か月以内という上限もあります。

採択された後、すぐに自由に経費を使えるわけではありません。
原則として、交付決定後に補助事業を開始する必要があるため、契約・発注・購入のタイミングには注意が必要です。

 

補助事業計画期間は補助事業を完了した日の属する年度の終了後を初回として、

以降5年間にわたる計6回、補助事業に係る事業化等の状況を事業化状況・知的財産権等報告書により報告する必要があります


6. 補助金は後払い

補助金は、採択された時点で振り込まれるものではありません。

基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 採択
  2. 交付申請・交付決定
  3. 補助事業の実施
  4. 事業完了・実績報告
  5. 確定検査
  6. 補助金の請求
  7. 補助金の振込

つまり、設備投資や外注費などは、まず事業者が支払い、その後、実績報告と検査を経て補助金が支払われます。

そのため、補助金を活用する際は、資金繰り計画も非常に重要です。


まとめ:新規事業・設備投資を考えている企業は早めの準備を

「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、新製品・新サービスの開発、新市場への進出、海外展開を目指す中小企業等にとって、大きな後押しとなる制度です。

一方で、申請には事業計画の作成、要件確認、経費の整理、見積書の取得、GビズIDの準備など、やるべきことが多くあります。

特に今回の第1回公募は、申請受付開始から締切までの期間が限られています。

「自社の取り組みが対象になるか知りたい」
「どの申請枠を選ぶべきかわからない」
「設備投資の内容が補助対象になるか確認したい」

このような場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

当社では、補助金申請に関するご相談を受け付けています。
新規事業や設備投資を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。


※本記事は、令和8年7月時点の公表情報をもとに作成しています。申請にあたっては、必ず最新の公募要領・公式情報をご確認ください。